断食ダイエットの効果と絶食との違い

ファスティングなど断食ダイエットの効果が注目されています。また、断食と絶食は言葉が似ているけど、具体的な違いや効果の優劣は何なのでしょうか。

絶食と断食の両者にははっきりとした違いはありません。どちらも一定期間食事を意図的に絶つ行為のことであり、両方の言葉は全く同じことを意味します。しかし断食は主に宗教用語として使用されることが多く、絶食は宗教に関係のない言葉として使用されることが多いです。

現状では断食ダイエットという言葉の方が絶食ダイエットよりもよく使われるため、ダイエット用語としては断食を使う方が一般的なのだと思います。

ダイエットにおける断食の効果は短期間で体重を一気に落とせることです。しかし断食で落ちる体重は単純に体の脂肪が落ちた結果ではなく、胃腸の内容物(胃や小腸の中で消化中の食べものや大腸内の便など)の重量が減った結果としての部分が大きいです。

そのため、1日の断食後には体重が一気に落ちていても、翌日から食事量を元に戻すとまた一気に体重が元に戻ることが多いです。

断食の欠点は断食からまる1日が経過すれば、肝臓に蓄えられているグリコーゲンがほぼ消失してしまうことです。また、同時に筋肉に蓄えられていた運動時のエネルギー源である筋グリコーゲンも大幅に減少します。

(※グリコーゲン=多数のブドウ糖がくっついたもの。筋肉や脳が活動するためのエネルギーとなる。)

より大きな問題は肝臓のグリコーゲンがほぼ消失してしまうことであり、その結果として糖新生により脳の活動エネルギーをまかなう必要がでてくることです。

(※糖新生=肝臓が血液中のアミノ酸からブトウ糖を合成すること。)

筋肉は脂肪を燃やしてエネルギー源にできますが、脳はブドウ糖しかエネルギー源として活用できません。1日の断食で肝臓のグリコーゲンが尽きてしまうと、それ以降は糖新生が起こり続けるということです。

糖新生を行うにはアミノ酸が必要ですが、アミノ酸は体に筋肉として貯蔵されています。糖新生によってブドウ糖を作る量に比例して、筋肉量が減っていくことになります。筋肉量が減ればダイエットが不利になることはよくご存じだと思います。